地域おこし協力隊・宮平聖太さん

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2024.11.19
地域おこし協力隊・宮平聖太さん

・地域おこし協力隊として平泉に来る前はどのような活動をしていましたか?

 10代の頃から25才くらいまで、楽器屋や音響屋さんでバイトをしながらバンド活動をしていて、プロを目指していましたが、25才頃にプロになる限界を感じ始めました。バイトをしていた仕事も好きだったので、社員になり30才頃には店長代理までなりました。そしてキャリアのステップアップを図りたいと思い、エンタメ寄りの仕事をしようと考え、大手レコード会社に頑張って入りました。そこでアーティストのマネージメント部門に所属し、マネージャーとしてアーティストのお世話をしたり、ライブ・コンサート・取材などのスケジュール管理をする仕事をしました。仕事は楽しかったんですが、無茶苦茶忙しく、サラリーマンとして会社の中で頑張っても自分が目指しているものからすると大したことないと感じてしまいました。「起業すれば責任は伴うが、自由度が高い」と事業を起こしたいという思いが強くなり、1年ほどでせっかく頑張って入った会社を辞めました。

バンドをやっている時には、自分の作った曲や演奏を評価してもらって、価値を生むことが原点でした。好きなことをしながら夢を追いかけていたので、生活費が少ない中でも自分も含めてバンド仲間は、日々の暮らしを楽しんでいました。そういう感覚の中で青春を送っていたので、起業という夢を追う上でも、どのようなビジネスをおこせるのか模索している時間を楽しむ気持ちがありました。

・地域おこし協力隊として平泉に来る経緯について教えてください。

2022年夏に会社を辞めた翌年の春に、ホリエモンのユーチューブ情報から、無料でプログラミングを学べる『スパルタキャンプ』があることを知りました。起業するうえで、スキルの一つとして学ぶのは有りだなと考え、応募して2023年6月30日に平泉に来ました。

『スパルタキャンプ』を開催する平泉町役場としては、平泉町にまずは来てもらい、町に興味を持ってもらい、移住の足掛かりとして地域おこし協力隊に応募してほしいという思いがあります。宮平さんが実際に平泉町に来て、地域の人たちと触れ合う中で、今まで自分がやってきたことに興味を持ってくれ、温かく向かい入れてくれました。人とのつながりを強く感じ、平泉で何かできるかもしれないと思い、地域おこし協力隊に応募しました。

・ジャズフェスティバルをやろうと思ったきっかけは何ですか?

地域おこし協力隊のミッションが「イベントによる地域活性化」だったので、自分としては今までの経験から言って取り組みやすいテーマでありがたかったです。そこで平泉でしかできないイベントを考えようと思い、『ジャズフェスは各地にいくつもあるが、世界遺産の地でおこなわれているジャズフェスがない』ということで企画することにしました。

・ジャズフェスティバルを開催した感想を教えてください。

平泉駅前・観自在王院跡をはじめ4か所のステージ・演奏したバンド数が31組でした。そしてフェスティバル当日に2,000人ほどのお客様が訪れたので、当初計画した規模通りで大変満足しています。しかし、天気が良かったことや当日選挙があって遠出しなかった方が多いという条件での実績なので、もう少し来場者数が増えてもよかったかなとも思っています。

・ジャズフェスティバルの来年度以降の取組みは?

来年以降も開催したいと考えています。地域の皆さんからも、来年に期待する声が多く大変あり、ありがたいことですが、地域おこし協力隊の任期は3年なので、長く続くけて行くためには、スポンサーの協賛だけでジャズフェスティバルをなり立たせることができるのかが大きな課題になります。ただ、平泉町はコンパクトな町なので、フェスティバルの規模を町の規模に合わせたやり方があるのではないかと思っています。

・今後の活動はどのように考えていますか?

地域おこし協力隊の活動をつづけながら、平泉で移住・定住していくために、ビジネスを軌道に乗せていきたいと考えています。イベントを作っていくことをはじめ、楽器販売・音響・映像などの分野の中で何が当たるのかを探っていこうと思っています。岩手県南を中心に、音楽を楽しむ人たちをサポートしながらビジネスを組み立てられればいいのかなと思います。ジャズフェスをやったことで人脈がかなり広がったので、これからの可能性の広がりを期待しているところです。