平泉町長島大平地区にある平泉ワイナリーのぶどう園は、日本農業遺産「束稲山麓地域」の認定ポイントの一つ「豊かな農業生態系と個性ある文化が育まれ、独特のランドスケープ(景観・風景)が形成」にとって重要な構成要素にもなっています。平泉ワインの応援者を増やしていき、販売量を増やし、営業ベースでも評価されるようになるように応援したいと思い、地域おこし協力隊新井さんとともに、今回の会を企画しました。
1.2024年の収穫状況と今後目指す醸造ボリュームについて
・今年の収穫量はぶどう7トンほどで、昨年の3倍以上でした。製造量としては、3000リットルほどです。2025年は1本750mlで計算すると、約4000本になりますので、昨年のおよそ倍の数量を販売することになります。
・ワインを製造する免許を取得するには6000リットル以上の製造量が必要で、平泉ワイナリーの場合、 令和10(2028)年度までに達成させる必要があります。今年の製造量の倍がまだ必要となります。武居さんから「ぜひ皆さんの力添えをいただきたい」とお願いがありました。
2.武居さんが考えるおいしいワインとは?
・平泉は冷涼地なので、酸がしっかり残ったワインができるので、白ワインが合うと考えていて、おいしいワインが作れるのではないかと考えています。その観点から2023年から販売を始めた白ワインのシャルドネとソーヴィニオンブランはいい評価をいただいています。
・今年植えた品種として、ゲヴュルツトラミネールがあります。すごく香りのある白ワインで酸が効いているタイプになるので、おいしいワインになると期待しています。2026年の収穫を楽しみにしています。
・今後もおいしいワインになる品種を探していきたいと思っています。
(下の画像をクリックすると、動画を見ることができます)
3.ワインの試飲
品種:メルロー・今年収穫したブドウから醸造したワイン3種と2023年ビンテージの比較
・最初に試飲したワインは、9月28日フットパスイベントで収穫したブドウを醸造したもの
◎ コクがない、おいしいなどの意見が出た
・最初のワインより収穫時期が早いワイン
◎ 最初のものと全然違う、苦みが少ない、まろやか、薄い感じ、甘みが少ない
・一番収穫時期の遅いワイン
◎ 1と似ているが苦みが少しある感じがする
・2023年ビンテージ
◎ 味があまり変わらないが角がないように思うので飲みやすい
➡ 4種類のワインを飲み、違いを感じることでワインの勉強をした感触を味わいました
4.今日参加者のお声について
・ぶどうの収穫体験をしたが、その他の時期も皆さんとともに手伝ったらいいと思う
・今年一関市舞川地区に引っ越してきたが、地域にワイナリーがあったらいいなと思っていたところでイベントがあり参加した。ぶどうを収穫して醸造されたワインを飲んで「このワインのおいしさは忘れがたい」と思った。特別な時間・体験だったので、できる限り応援したいと思っている
・農家組合の方から武居さんを紹介いただいてからワインを飲むようになり、少しずつ味が分かるようになってきた。ワインを作っている人の顔が分かるとより応援したくなる
・武居さんは2代目だが、苦労はなかったのか?
→最初からかかわっていないので、ぶどうを最初から植える苦労や大変さは知らないが、逆に植えられたぶどうの木の形が決まってしまっているため、ぶどうがうまく育っていない状態のものがあり、2~3年かけてきちっとした枝にしていく作業が大変で、かなり勉強した
・(収穫の手伝いをされている方から)収穫は楽しい、大自然の中で仲間と一緒に収穫できるのは暑さも気にならないくらいとても楽しい
5.今後のイベントやファンクラブ立上げなどを考えていますが、いかがですか?
・子供をターゲットにした収穫体験や作業体験を企画し、親御さんにも参加を促し、ワイナリーへの興味を広げていく
・収穫体験以外にも、苗木の植え・剪定など手間がかかる作業を体験イベントとしておこない、交流を深めていきたい
・収穫量を増やすために耕作面積は増やせるのか→耕作放棄地が近隣にあるので問題ない
・近隣の酒屋においてはどうか?
・いわて銀座プラザに置いてもらえれば、東京に行ったときにそこで買って土産としてお客様のところへ持っていきやすい
・今日の参加者と今後スムーズな情報共有をするために、LINE交換をしたい(皆さんの賛同をいただく) LINE名:平泉ワインファンクラブ
・(菅原正義さんより)明治神宮にフランスのブルゴーニュ地方からワイン樽が奉納されているが、その呼びかけをおこなった佐多保彦氏は東日本大震災後の復興支援の縁で知り合いなので、平泉ワインを一度飲んでいただけないか声がけしてみたい
菅原正義さんに、「平泉ファンクラブアンバサダー」として活動をサポートしていただく
最後に武居さんより、「今後も楽しいことをやっていきたいなと思っています」と挨拶され、会は終了となりました。